美しさとは〜「ちはやふる」6巻(末次由紀)
- 作者: 末次由紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/09/11
- メディア: コミック
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いまさらですが、読了。
あいかわらず面白い。
普通にスポ根少年漫画の王道ですね。少女漫画だけど、競技カルタだけど。
でも、マジで競技かるたは面白いですよ。前にもmixiに書いたけど、小学生の頃にやってたから言えます。
正直、人間の様々なクオリティが試される競技です。
元々スポーツってそういう性質を持っているものですけど、
いわゆる頭脳系と体力系の双方を高いレベルで試される競技って割と限られるんじゃないかなぁ、と思うのですよね。
閑話休題。
今回、かなちゃんの百人一首に対する姿勢を直視することによって、ちはやがかなちゃんの美しさを知る、という展開がありました。
文脈から考えると、かなちゃんは別に「美人じゃない」という前提が必要になります。
でも、元々、かなちゃんってきれいだよね、と思うわけです。
作者としては、ちはやが美人で、それに対してかなちゃんは地味だ、という演出をしてきていて、それが失敗している、とまではいわない。
でも、千早の普段の立ち振る舞いは美しくないんですよね。
かるた以外のことについて繊細さが乏しすぎると感じます。
だから顔かたちはきれいでも、美人だという感じがしない。
この辺は少女漫画の主人公の特徴ですよね。
きれいな顔立ちの女の子に感情移入させるために必要な措置。
しかし、それ故に、普段のかなちゃんの相対的な美しさの格が上がってしまっているのですよね。
実際オマケ漫画で一番人気はかなちゃんだったはず。
だから、今回のかなちゃんの「美しさ」のアピールは、物凄いいまさら感がありました。
いや、だから、かなちゃんはきれいなんだってばと(笑)
多分、そう思った読者は多いんじゃない?
勿論、彼女の競技カルタへの姿勢が、勝負を度外視するだけでなく、勝ちを追求する面にも働いている、と気付くのが今回の演出のメインであったわけで、作品としてはまちがってないのです。
でも、もともとちはやの美しさよりかなちゃんのうつくしさ(普段の立ち振る舞いの優雅さを加味した総合的な美しさ)を重んじる、私みたいな読者には、ちょっと違和感有ったなぁ、と思われます。
とは言え、普段の千早があれ、だからこそ、千早の競技カルタへの情熱は、とてつもなくまっすぐに伝わってきて。
その美しさは何物にも代え難い物なんですよね。
さすがは主人公、という奴で。
惜しむらくは……もう少し女性キャラのバリエーションが欲しいかな、というところです。今回の千早の対戦相手の金井桜さんなんか、すごく好きですね。かわいい。こういう人が出てくると嬉しい。
逆に私的には蛇さんはいまいち(爆)まぁ、彼女はこれからなんでしょうけど。