アニメ「氷菓」の原作との時系列の食い違い
夜中に目が覚めて、なかなか眠れなかったので、氷菓6話「大罪を犯す」を観ました。
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2012/06/29
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で気が付いた。
アニメは、原作の時系列をそのまま再現することにはこだわらずにつくられているんだ、ということ。
厳密に言えば、大きな矛盾の起こらない範囲で都合のよいように事件の起こった日付を改変している、ということ。
あまりにも自然だったので気が付いていなかったのですが、
第4話の千反田邸訪問は、原作では7月末の夏休みの出来事でした。
何も説明がなかったので、なんとなく原作のとおり、夏休みの出来事として描かれているのか、と思っていました。
ちなみに第5話のエピソードは千反田邸訪問の翌日。その相対的な位置づけは原作と同じです。
だからこそ、自然に次回6話が夏休みの終わり近くの設定である「愚者のエンドロール」だと予想したわけですが、予告を見て「大罪を犯す」ってなんでやねん、と頭の中を?????が飛び回っていました。
「大罪を犯す」は連作短編集の体裁をとっているシリーズ4巻「遠まわりする雛」に収録されているエピソードです。
そして、原作では6月、梅雨の時期の話となっています。
なので、時を遡らせるのか、と思いました。それもありなのか、と思ったのです。
でも違ったのですね。アニメは、やはり、アニメの時系列どおりに順番にエピソードを進めていたのです。
第6話を見直すと、冒頭でB組(ホータローのクラス)の黒板の右端の日付が7月1日になっています。6月ではなく、7月に微妙にシフトされているんですね。もともと梅雨の間の晴れ間の日という設定の話なので、違和感なくシフトされています。
その前提で第5話を見返して気が付きました。
あ、これ6月のエピソードに変更されているんだ、と。
作中では日付に関する言及は全くないのですが、第5話冒頭の千反田邸訪問からの帰り道のシーン。田んぼの中の道で里志とホータローが語り合うのですが、その背景の田んぼの稲の成長具合が、田植えしてから1か月弱ぐらいのものなんですね。一応うちは兼業農家で稲作もやってましたのでその辺はわかるのです。
で、舞台の神山市は設定上、岐阜県高山市がモデル。岐阜県の田植えの時期は気候を考えて5月中旬から下旬の間と思われます。
とすると自動的に、千反田邸訪問が6月の中旬から下旬に位置づけられるわけです。
ここで、思い出されるのが、第4話千反田邸訪問時の一番目立った変更点、「突然の雨」です。原作では7月下旬なので梅雨明け後ですが、アニメだとまさに梅雨まっただ中。だからこそ、雨のエピソードを追加したのだ、という意図が見えてきます。
うーん、そういうことか。6話をみるまで気が付かなかった。
逆にいうと、違和感の少ないようにそうとう配慮しながら時系列の変更が行われている、ということですね。さすが京アニ、こだわりの作りになっています。
ちなみに第7話「正体みたり」も「遠まわりする雛」収録のエピソードですが、これは夏休み中の話です。
おそらくここは時系列変更無しで、第8話以降に「愚者のエンドロール」を持ってくる、という寸法ではないでしょうか。
ということで、入須さんは、二週間先にようやく登場してくれそうです。わくわく。