NHK報道番組「クローズアップ現代」のアニメ聖地巡礼に関する分析メモ(若干補足)

 製作サイドの理由
・アニメ制作の省力化のため
(背景をトレースにて製作できる)
(架空世界を設定した場合必要となる世界観の構築の手間を省くことが可能)
・アニメDVDや関連CD売上などの売上げ以外の収入源へつなげていく。
・地元自治体などの地元団体とタイアップすることで協力が得やすい。
地元目線からの演出などのヒントも得られる。→これも製作の効率化につながる。

 ユーザーサイドの理由
聖地巡礼を行うことで、アニメの世界の中に入るのに似た快感が得られる。
・アニメの中で登場した場所を自分たちで探すことによって、能動的な楽しみが得られる。
・等身大の主人公を設定できるため、感情移入がしやすい。世界をイメージしやすい
ので没入しやすくなる。

 現在の潮流
自治体が地元のPRに、地元密着アニメを利用しようとしている。
  ラグランジェ、埼玉PRアニメ4本立てなど
 
 この手法の問題点
・地名連呼など、あざとさが過ぎると、ユーザーには、踊らされている、という自覚が生じ、能動的な楽しみが阻害される。そもそも聖地は地元や製作サイドがお膳立てをして提供するものではない。感情移入、没入も阻害されやすくなる。

・単に地元PRありきで作品をつくっても、作品のクオリティを上げることは難しい。作品のクオリティが低いとそもそもユーザーは関心を持たないし、ロケ地へ聖地巡礼を行おうとはしない。というかそもそも見ない。

 今後の展望
・しかし、地域密着型日常アニメは既に1ジャンルを構築しており、当面は一定のニーズを生み出し続けるだろう。

 要旨をまとめて若干補足するとこんな感じだろうか。
 認識として、決して間違っていないと思われます。
 オタクやマニアにとってみれば、何をいまさら、という内容ですが、NHKのゴールデンで放送されたと考えると、なかなかのバランス感覚だと思います。やるな、NHK。