今週のガンダムSEED DESTINY (第17話)

こないだのカキコミで「AIR」のストーリー批判に対して具体的理由を欲した手前、今週はガンダムSEED DESTINYに具体的例を挙げてツッコミを入れてみます。

今週も何かと楽しかったです。
何って、まず、プラントの人達の脳天気さですね、まずは。

アークエンジェル(こいつの存在自体が既にツッコミ対象なのですが、もうあえてツッコミません)の連中がアンテナ上げてテレビ放送の電波を受信しています。

ニュース 『このデモにより、死傷者の数は既に1000人にものぼり、赤道連合政府は……』
『18日の大西洋連邦大統領の発言を受けて、機能、南アフリカ共和国のガドア議長は……』
『この声明に対し……』

さすがに未曾有の大災害の直後に戦争勃発ですから、どの局も報道番組で深刻さを盛り上げてます。……と思いきやラクスさんが口を開きました。
ラクス 『……プラントはプラントで、ずっとこんな調子ですからね。』

すると……モニターに映ったのは、
歌って踊ってるラクスツヴァイ!!
一局だけ音楽番組中継してます。我が道を行ってます。
(まるで中越地震のときに一局だけ料理番組やってたTV東京みたいなものですが、そんなことネタにしなくても……(汗))
しかもこう、声優かなんかのライヴみたいに観客が熱狂してます。踊ってます。なんなんだプラント市民……。彼らはこの間、核ミサイルによる攻撃を受けたはずですが、全く動じていません(苦笑)。

ラクスツヴァイ『平和の為わたくしたちもがんばりま〜す!!!』
『皆さんもお気をつけてぇ〜!!』
観客たち『うおーーーーー!!!』
観客バカです。思いっきり誤魔化されてます。
つうかラクスの歌もアップテンポなポップスにリミックスされてノリはまさしくマクロス状態です。
ラクス 『……皆さん元気で楽しそうですわ。』
 ラ、ラクスが常識人に見える……。よりによってあのラクスにツッコミを入れられるとは、コーディネーターはやはりひと味違いますね。さすがはわざわざ遺伝子改造して生まれた人達っす。常人には理解不能です。
 というか、客観的には彼女は単に自分の偽物に胸の大きさで負けたのが悔しくて怒ってるだけに見えてしまいます。なんせラクスですから。前科が多すぎるので。

カガリ 『これも……いいのか? このままにしておいて。』
この調子で全人類が洗脳されてしまうとエラいことになりそうです。カガリさんはその辺腐っても国家元首なので疑問を感じていますが、恐怖のテロリスト集団(弟含む)に拉致されている身ではどうしようもありません。
アンディ 『そりゃ、何とかできるもんならしたいけどねぇ。』
『……下手に動けば、こちらの居所が知れるだけだ。』
『そいつは現状、あまり上手くないだろ? 匿ってくれているスカンジナビア王国に対しても。』
当たり前ですが恐怖のテロリスト集団は表だって行動できないのです。なんで前作の主役達がそんなことやってんだよ、全く(苦笑)。

キラ 『でも、今はまだ動けない。まだ・・何も分からないんだ。』
妹を彼女の結婚式場からいきなり拉致した人間とは思えない冷静さです。
前作の主役は、ただ単にめんどくさいことは一切したくないだけのようで。

 その後、プラントのラクス暗殺(未遂)について、みなさん、さんざんデュランダル議長をこきおろします。どうでもいいんですけど、この、よりバカな敵をつくってバカなメインキャラを正当化するという手法はもうそろそろ打ち止めにしてもいいかと思います。
 このままではテロリスト集団が調子に乗るだけですので……、と思ってたらスタッフもさすがにまずいと思い始めたのか、てこ入れを始めました。シン・アスカ君についてです。

さて、そのバカな敵の一人、主人公シン・アスカ君ですが、オーブが嫌いなだけで全く言うことを聞こうとしないその子供な態度にさすがの「宇宙最強のパシリ」アスランさえも、前回ついにぶちキレて鉄拳制裁してくれました。今回もその続きで理論的にシン君を追いつめてくれます。

そのシーンを抜粋
アスラン『……どうしたんだ、一人でこんなところで。』
シン『……別に、どうも。あなたこそいいんですか!? 色々忙しいんでしょ、フェイスは。』
(皮肉的な口調で)『こんなところでサボっていてよろしいんでありますか?
アスラン 『……ほんとに突っ掛かるような言い方しか出来ない奴だな、君は。』
『そんなに気に入らないか? オレが戻ったことも。君を殴ったことも。』
視聴者の思いを代弁してくれてます。
シン 『……別にどうってことありませんけどね。』
『でも殴られて嬉しい奴なんかいませんよ!! 当たり前でしょ?!!!』
『大体、この前までオーブでアスハの護衛なんてやってた人が、いきなり戻ってきてフェイスだ上官だって言われたって……!!!』
『それで、はいそうですかって従えるもんか!!! ……やってること、滅茶苦茶じゃないですか!!! あなたは?!!!』
出ました、SEEDお得意の「バカな相手をつくってバカなメインキャラを正当化する」といういつもの手法です。しかし、今回は勝手が違いました。

アスラン 『……それは……そうだろうな。認めるよ。確かに君から見ればオレのやっていることなんかは滅茶苦茶だろう。……だからだと言いたいのか?』
シン 『……?』
アスラン 『だからオレの言うことなど聞けない、気に食わない、と。そういうことか?』

 まさか、そんなストレートにツッコミ返されるとは思わなかったようでシンは眼を白黒させます。
シン 『あ……いや……』

アスラン 『自分だけが正しくて、自分が気に入らない、認めないものは皆間違いだとでも言う気か、君は?』
アスラン視聴者代弁モードは続きます。

シン 『……そんなことは……っ!!!』
アスラン 『……なら、あのインド洋での戦闘(注・シンは上官であるアスランの命令を無視し、独断で敵の前線基地を破壊。本人は民間人を解放した気になっているが間接的に民間人にも多くの被害を出している)のことは。』
シン 『……!!?』
アスラン 『今でもまだ、あれは間違いではなかったと思っているのか?』
シン『はい!!!』
それを聞いてため息をつくアスラン。気持ちがイタイほど分かります。
アスラン 『……オーブのオノゴロで家族を亡くしたと言ったな、君は。』
シン 『……殺されたって言ったんです、アスハにっ!!!!』
アスラン 『そう思っているなら、それでもいいさ。』
『だが……だから君は、考えたっていうわけか? あの時力があったなら、力を手に入れさえすれば、と。』
シン 『……!!?』
『……なんで、そんなこと言うんです!!?』
アスラン 『自分の非力さに泣いた事のある者ならば、誰でもそう思うさ、多分・・。』
アスラン 『……けど、その力を手にしたその時から、今度は自分が誰かを泣かせる者となる。それだけは、忘れるなよ?俺たちはやがて戦場に出る。その時にそれを忘れて勝手な理屈と正義で、ただ闇雲に力を振るえばそれはただの破壊者だ。』
『そうじゃないんだろ、君は?』
『俺たちは軍としての任務で出るんだ……喧嘩に行くわけじゃない。』
シン 『そんなことは……分かってます……』
いつもの語尾の!!!の勢いがなくなって、ようやく、シン君も気付いたようです。よかったよ〜。
アスラン 『……ならいいさ。それを忘れさえしなければ、確かに君は優秀なパイロットだ。』
『……?』
いきなりのセリフにとまどうシン。

アスラン 『……でなけりゃ、ただのバカだからな。』

言い捨てて去るアスラン。やってくれました。全くその通りです。

 でもまぁようやく次回からはシン君も大人になってくれそうです。スタッフの意気込みを感じました。よかったよかった。
 サクラ大戦3のエリカ君みたいに、それでもやっぱりバカだったというオチかもしれませんが(笑)
 まぁそれはそれで面白いかも。

 他にもまだ倍ほどツッコミどころはありますが、さすがに疲れたので今宵はここまでにしとうございます。


 かんでたくまはガンダムSEED DESTINY を応援しています。