ウサイン・ボルトに欠けたもの

動画↓
http://www.youtube.com/watch?v=0A3O-g3_axQ


ニュース記事↓
http://sports.yahoo.co.jp/news/20090817-00000000-spnavi-spo.html

 世界陸上2009 男子100mを制したのはやはりウサイン・ボルトでした。

 本当に凄いね、9秒58。びっくりです。

 小山ゆう「スプリンター」の彼らのはるか上を行く記録、のはずなんだけど、でもなんかそんな感じはしないんですよね。


 それはボルトが神の領域に達してはいないように見えるから、でしょう。

 彼はまだ、いわゆるゾーンに達していないように見える。まだまだ限界が先にあるようで、洗練され切っていないように見えるんですよね。

 漫画でいうと川原正敏修羅の門」の神武館空手南米王者、イグナシオ・ダ・シルバの描写がイメージに近いかな、と思います。

 彼は全身のバネ、という最高の才能を持ち、最高の破壊力を得、そして「魔術師」としての技を師匠から受け継ぐことで、人間の格闘家として最高の高みに到達しました。
 しかし、それでも、彼はヒトだった。人間だった。「修羅」というヒトでないものと互角に闘いながら、何か欠けているものがあった。

 ウサイン・ボルトにも、同じものを感じる。彼は、ある目的そのものに対して、未だ、究極には特化されていない。
 

 もし彼が人で無いモノを身体のなかに棲まわせていたら……そう夢想せずにはいられない。


 だが今は、それでも彼の成し遂げたことを賞賛しよう。凄いぜ、世界新記録!!