ゲーデルの言う「ネギにとっての真の敵」について

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ゲーデル「君はその力で本当は誰を殴るべきかわかっているのですか?」
ゲーデル「本当の敵が誰なのかを?」
ゲーデル「教えて差し上げましょうか」
ゲーデル「君にとっての真の敵を」



予想以上にゲーデルさん大物!?

さて、週刊少年マガジン29号のヒキは、ちょっとあまりに重要そうなポイントなのでどうしようか迷っていたのですが、頑張って推論してみました。なんやかんや他にも考えることが多くて、予定より遅くなってしまいましたが一応上げておきます。

「紳士的な試合の中でとはいえあのJ・ラカンと引き分けたのです。君の力は本物だ。全く以て空前絶後だ。前代未聞だ。信じられません――さて、しかし……」
「その力を手に入れた君は一体ナニをすると言うのです? 平和な国の学園に戻って平穏に暮らす? いやいやそれはつまらないでしょう。ネギ君、その力があれば、君は世界を救える」

ゲーデルの狙いは何か?

セラス総長によると
「彼び挑発に乗らないでネギ君! 彼の狙いはあなたよ! あなたに手を出させてそれを理由にあなたを確保しようとしているのよ」
ということらしい。


ゲーデルの得る、ネギの確保によるメリットとは何か。

1 ネギの得た強大な力の利用。
2 ネギの立場、大英雄の息子であり、魔法世界の始祖の末裔であることを利用。

 おそらく上記の二点だと思われる。

 つまり、私が以前の「フェイト×アスナ」の記事で妄想したフェイトの、アスナを利用するための方便に、近いものだと考える。

 かつてMMの元老院に「完全なる世界」の勢力は浸透していました。ゲーデルがその一派であったとしても不思議ではありません。もし違うとした場合、いきなりストーリーが発散しすぎる感があるので「完全なる世界」の主流派の流れと考えるのが自然でしょう。
 では、ゲーデルが組織たる「完全なる世界」の一員であると仮定した時に、彼の目的、目標は何だろうか。
 正直、情報不足です。ですが、推論してみます。

 私は、今回のゲーデルの言動に対して物凄く違和感を感じています。
それがどこにあるのか、まずそれから説明していきましょう。

 オスティア総督にしてメガロメセンブリアの元老院議員の一員でもある彼は、明かに、魔法世界の重要人物であるはずです。
 しかし、251時間目の登場まで、その存在についてかけらもふれられませんでした。(ひょっとして私が見落とした2、3回で伏線があったのかもしれませんが、多分ないはず、と考えています。) 彼が大戦での活躍で出世したならば、あるいはその時点で既に元老院入りしていたならば、ラカンの昔話で触れられていても不思議ではない。
  だからこそ、私は、最初、単にネギの行動を遅らせるためだけの意味を持つ、物語上での雑魚キャラなんだと思ってしました。
 ところが今回、254時間目において、彼は、大戦の英雄の一人、セラス総長の介入に対し、脇役は部隊袖でおとなしくしていてもらえませんか、と一蹴する。
 なおかつ、前回までの展開で、ネギの最大の敵として認識されていたフェイト・アーウェルンクスについても「それともその力であのアーウェルンクスを殴って満足としますか? いやいや小さすぎる。君はそんな小さい男ではないはずだ」というネギとの会話の中で歯牙にもかけない素振りを見せる。
 彼は、自分を過信しただけの愚か者に見えなくもない。
 しかし彼は、ネギの術式兵装「雷天大壮」も最大障壁も真っ向から打ち破る、神鳴流奥義の使い手でした。
 ラカンエヴァの域まで登りつめてきたはず(少なくともその近くまで来ているはず)のネギを、彼は圧倒してしまう。
 彼は能力的に雑魚の域を一気に逸脱してしまいました。
 自分の力を実際よりも、より大きく見せているだけかも知れませんが、その演出を意図して行えるのであれば、それなりの曲者とも言えます。雑魚ではありません。

 そうして、彼の言動に一定の格が与えられる、と仮定したときに、単純に考えて今までの伏線から予想される展開に反するようなことをたくさん彼は言ってしまっているのですよね。

 まず、フェイトの問題。彼は語ります。
「ネギ君、その力があれば君は世界を救える。それともその力であのアーウェルンクスを殴って満足としますか? いやいや小さすぎる。君はそんな小さい男ではないはずだ。力持つ者は世界を救うべきなのです」
 ここでゲーデルは、そもそもフェイトの打倒が、世界を救うことには繋がらないという見方を提示しています。
 これが興味深いところで、独立して動いている強大な勢力であるはずのフェイト率いる「完全なる世界」の残党を歯牙にかけない素振りをゲーデルが見せるのは何故か。
 彼は、ネギとフェイトの衝突を避けたいと考えている、そう捉えるのが妥当だと思います。
 何故彼はそう考えるのか。彼もまた「完全なる世界」の残党だと考えれば有り得なくもないでしょう。
 「完全なる世界」の残党はフェイト一派だけではありません。25巻225時間目でフェイトは語ります。
「……だけど礼を言うよ。こんなチャチな作戦失敗して良かった。罠に墜として彼の息子の自由意志を奪うなんてつまらない。これで僕達は晴れて世界をかけた敵同士。僕の望みは叶った」
 つまり、最高位クラスの魔法具を用い、フェイト一派に対してネギを無力化させる作戦を立案しフェイトに実行させた存在があったはずです。
 ゲーデルがその一派の一員であった可能性は否定できないところです。
 ネギの巨大な力を放っておいては、自分たちの究極の目的の妨げになる可能性が出てくる、それならば、確保し、目の届くところで管理すべきである、そういう考え方でしょう。
 ただ、ネギの能力を評価しているのであれば、もっと単純に、友好的な態度で協力を仰ぐ方が効率がいいと思うのですよね。
 それをしなかったのは何故か。幾つかの可能性が考えられますが、そのうちのひとつを提示してみましょう。
 彼はネギの行動を、以前の価値観では有り得ない向きへ誘導しようとしているのだ、ということです。
 そこで
「君はその力で本当は誰を殴るべきかわかっているのですか? 本当の敵が誰なのかを? 教えて差し上げましょうか、君にとっての真の敵を」
という254時間目のヒキの台詞につながるわけです。

ゲーデルの告げる、ネギの真の敵とは何か。幾つか考えましたが、とりあえず一つに決めましょう。


私の予測は
「紅き翼」です。


 理由の詳述は明日にでも。(本当にギリギリになっちゃいましたけど)